北海道立図書館

  • 〒069-0834 江別市文京台東町41
  • 電話:011-386-8521
  • ファックス:011-386-6906

現在位置の階層

  1. ホーム
  2. 北方資料室
  3. 資料紹介
  4. 平成20年1月の資料紹介

平成20年1月の資料紹介

『あのころの札幌』

河野 誠/編著 フォーメンズ出版 2007.12 176p 30cm

  • 表紙写真
 昔を振り返るという行為は、いつの時代でも行われる人間の営みのひとつですが、 昭和20、30年代に育った年代の人達が、昔を振り返る年齢になったということか、この頃の事をテーマにした映画やテレビ番組、書籍などが目につくようになったような気がします。 この本の編著者河野誠氏は、生年月日が記載されていませんが、1969年読売新聞社入社とあるので、年齢は60代でしょうか。河野氏は2001年に『カメラがなくても写真は撮れる! 北の写真記者奮闘記』(廣済堂出版)という著作を出しています。その中で、“カメラマンが自分の作品を写真集にして出版するのは夢であるが、新聞社の写真部に属するカメラマンの写真の版権は新聞社にあるので、自分の作品といえるものはない”と言っています。本書は、自分の作品ではないけれども、著者の夢に一歩近づいた本といえるのかも知れません。
 本書は、昭和20~30年代の写真を中心にしているけれども、必ずしもその年代にこだわらず明治、大正、平成の写真も使って、札幌の「あのころ」を思い出させてくれます。札幌市写真ライブラリーの写真を中心に、なつかしい札幌の町並みや風俗の写真を配置し、その中に札幌にゆかりのある人、銀行、学校、企業、家族、写真館にスポットを当てた写真と文章の構成は、通常の写真集と違って読み物としてもおもしろいと思います。それからもうひとつ、白黒写真の地味な中に華やかさを醸し出しているのは、中田ゆう子さんの絵です。彼女は道庁の近くで生まれ、昭和20、30年代を、札幌駅前通り周辺を通学路として育った人です。同時代を共有した人達は、彼女の描く「北海道庁前庭」「紙芝居」「札幌神社のお祭り」などにも何ともいえないなつかしさを感じるのではないでしょうか。
 個人的なことですが、札幌医科大学にスポットをあてたところは、一時大学の附属図書館に席を置いたこともありましたので、大変なつかしく思いました。開学当時の建物は、今は影もかたちもありませんが、私がいた時(昭和50年代)はまだ当時の建物を使っており、この本にある階段教室での授業風景の写真の部屋は、図書館の古い図書を収納する書庫になっていましたし、札幌市から体育館として移管されたお寺のような外観をした建物「武徳殿」も老朽化していましたがまだ残っていました。